症状から知る2026-03-09Carelogy編集部
猫が水を大量に飲む:腎臓病のサインかも
猫が急に水をたくさん飲むようになった場合、腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症などが疑われます。多飲多尿の原因と受診の目安をわかりやすく解説。
結論:猫の多飲多尿は内臓疾患の重要なサイン、早期検査が必須
猫の正常な飲水量は体重1kgあたり約40〜60ml/日です。これを大幅に超える場合(多飲)、または尿量・頻度が増える場合(多尿)は、腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症などの内臓疾患の可能性があります。これらはいずれも早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、気づいたらすぐに獣医師に相談してください。
多飲多尿の主な原因疾患
[慢性腎臓病(CKD)](/ja/columns/cat-kidney-disease): 猫で最も多い内臓疾患。10歳以上の猫の約30〜40%が罹患するといわれます。腎臓の濃縮機能が低下し、大量の薄い尿を出すため補うように水を飲みます。早期(IRIS Stage 1〜2)では食欲低下を伴わないことも多く、多飲多尿が唯一のサインになりえます。
[糖尿病](/ja/columns/cat-diabetes): 高血糖により尿に糖が漏れ出し、浸透圧利尿で多尿になります。体重減少・食欲増加が同時に見られることが多いです。
[甲状腺機能亢進症](/ja/columns/cat-hyperthyroid): 中高齢猫に多く、甲状腺ホルモン過剰により代謝が亢進。多飲多尿の他、体重減少・多食・興奮状態が特徴です。
子宮蓄膿症(避妊未処置の雌猫): 多飲多尿に加え腹部膨満・膣分泌物がある場合は緊急手術が必要です。
自宅での飲水量チェック方法
飲水量を正確に把握するには、1日の給水量から残量を引いて記録します。ウェットフードを与えている場合はフードに含まれる水分量も加味が必要です。また尿量・色・頻度も記録しておくと診察の参考になります。尿が非常に薄い(水のように無色透明)場合は腎臓の濃縮障害が疑われます。理想は動物病院で行う尿比重検査ですが、猫用採尿キットを使った自宅採尿→持参での検査も可能です。
受診・検査の流れ
血液検査(腎機能・血糖値・甲状腺ホルモン)と尿検査(尿比重・尿タンパク・尿糖)が多飲多尿の診断の基本です。
慢性腎臓病であれば療法食・リン制限食・輸液療法・ACE阻害薬などで進行を遅らせます。糖尿病はインスリン注射と食事管理が中心で、飼い主さんが自宅でインスリンを打てるようになることが目標です。甲状腺機能亢進症は薬(メチマゾール)・放射性ヨード治療・手術から選択します。
自宅ケアと救急受診の判断ライン
多飲多尿自体は通常、数時間以内の緊急対応を要するものではありませんが、併発する症状によって緊急度が大きく変わります。
早めの受診(1〜2日以内)で十分な場合: 飲水量が増えたが食欲・元気は正常。この段階で血液検査を受けることが早期発見の鍵です。水は絶対に制限せず、新鮮な水を常に用意してください。
当日中に受診すべき場合: 多飲多尿に加えて食欲低下・体重減少・嘔吐がある場合。腎臓病や糖尿病が進行している可能性があります。
今すぐ救急に行くべき場合: 多飲多尿+ぐったりして反応がない・口からアセトン(甘い)臭がする・腹部が張って膣分泌物がある(未避妊の雌猫)。糖尿病性ケトアシドーシスや子宮蓄膿症は数時間で命に関わる緊急事態です。
自宅では飲水量と尿量の記録を続け、受診時に持参してください。具体的な数値があると診断の精度が格段に上がります。
年齢別の多飲多尿リスク
子猫(1歳未満): 多飲多尿はまれですが、先天性の腎臓疾患や糖尿病がまれに見られます。子猫が過剰に水を飲む場合は早めに血液検査を受けてください。
成猫(1〜7歳): この年齢で多飲多尿が見られた場合、糖尿病(特に肥満猫)・ストレス性膀胱炎に伴う頻尿(多飲多尿と混同しやすい)・未避妊雌猫では子宮蓄膿症を考慮します。また稀ですが副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の可能性もあります。
中高齢猫(7歳以上): 多飲多尿の三大原因(慢性腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症)のすべてがこの年齢で急増します。10歳以上の猫の30〜40%が慢性腎臓病に罹患するとされ、早期のIRIS Stage 1〜2で発見すれば予後が大きく改善します。7歳以上の猫は年に1回の健康診断(血液検査・尿検査)を強く推奨します。
年齢を問わず、「最近水をよく飲むようになった」という変化に気づいたら、できるだけ早く検査を受けることが最善の対応です。
多飲多尿の予防と早期発見のコツ
多飲多尿を引き起こす疾患の多くは完全な予防が難しいですが、早期発見によって治療の負担と費用を大幅に減らすことができます。
定期健診を習慣にする: 7歳以上は年1回、10歳以上は年2回の血液検査・尿検査が推奨されます。SDMA(対称性ジメチルアルギニン)は従来のBUN・クレアチニンより早い段階で腎機能低下を検出できる新しいマーカーです。
日常的に飲水量をモニタリング: 毎日の給水量を記録することで、緩やかな変化にも気づけます。CatsMeアプリの毎日のヘルススコア記録機能を活用すると、変化の傾向が可視化されます。
適正体重の維持: 肥満は糖尿病の最大のリスク因子です。適切なカロリー管理と運動を心がけましょう。
良質な食事: 腎臓の負担を減らすためにリン含有量が適切なフードを選び、十分な水分摂取を促進してください。ウェットフードは水分補給の面で優れています。
ストレスの管理: ストレスは免疫機能に影響し、あらゆる疾患のリスクを高めます。安定した環境を維持しましょう。
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