リコールの概要:何が起きたのか
2026年3月13日、米国食品医薬品局(FDA)はQuest Cat Food(販売元:Go Raw LLC / Steve's Real Food)の8ロットについて、チアミン(ビタミンB1)含有量が危険なレベルで不足しているとして消費者に警告を発しました。
リコール対象:
- ブランド: Quest Cat Food(Steve's Real Food)
- 形態: フリーズドライ(10オンス袋)および冷凍(2ポンド袋)
- フレーバー: チキン(紫パッケージ)、ポーク(オレンジ)、ホワイトフィッシュ(青)、ビーフ(ピンク)
- ロット数: 8ロットが対象
- 問題: AAFCO基準の最低チアミン含有量(5.6mg/kg)を大幅に下回る、もしくはゼロ
発覚の経緯:
獣医神経科医がQuest Cat Foodを食べた猫に重度のチアミン欠乏症状が見られたとFDAに報告。追加の消費者からも類似の報告が相次ぎ、FDAがロット検査を実施した結果、8ロットすべてで基準値を大幅に下回ることが確認されました。
日本への影響:
日本国内では販売されていませんが、個人輸入で購入している方は注意が必要です。また、このケースはフード選びの重要性を改めて示す事例です。
チアミン(ビタミンB1)不足で猫に何が起きるか
チアミンは猫の脳・神経系の正常な機能に必須の栄養素です。体内に蓄積できないため、毎日の食事から摂取する必要があります。
チアミン不足の進行段階:
初期(1〜2週間):
- 食欲の低下
- 嘔吐
- 体重減少
- 元気がなくなる
中期(2〜4週間):
- よだれが増える
- 瞳孔が開いたまま(散瞳)
- ふらつき・歩行異常
- 首を下に曲げる姿勢(ventroflexion)— チアミン欠乏の最も特徴的なサイン
重症(4週間以上):
- 痙攣
- 昏睡
- 死亡
重要: 首を下に曲げる姿勢(顎を胸につけるような姿勢)は、チアミン欠乏の最も特徴的で見逃してはいけないサインです。この症状が出たら即座に動物病院を受診してください。
治療の可逆性:
初期〜中期であれば、チアミンの注射(ビタミンB1注射)で数日以内に劇的に回復することが多いです。ただし、重症(痙攣・昏睡)まで進行した場合、脳の損傷は不可逆的な場合があります。
自分のフードは大丈夫?安全なキャットフードの選び方
今回のリコールは米国製品ですが、フード選びの基本原則は世界共通です。
安全なフードを選ぶための5つのチェックポイント:
1. 総合栄養食の表記を確認
- 日本では「総合栄養食」の表示がある製品は、ペットフード公正取引協議会の基準を満たしています
- 「一般食」「副食」は主食にはなりません
2. AAFCOまたはFEDIAF基準への準拠
- AAFCO(米国)やFEDIAF(欧州)の栄養基準に準拠しているか確認
- パッケージに「AAFCO基準に適合」等の記載があるか
3. リコール履歴の確認
- FDAのリコールデータベースで製造元の過去のリコール歴を確認可能
- 繰り返しリコールを出しているメーカーは避ける
4. 手作り食・ローフードの注意点
- 栄養バランスが崩れやすい(今回のリコールもローフード製品)
- 手作り食にする場合は獣医師の栄養指導を必ず受ける
- チアミンは加熱で壊れやすいため、調理法にも注意
5. [栄養ラベルの読み方](/ja/columns/nutrition-label-reading)を身につける
- 原材料の最初に肉類(チキン、サーモンなど)が来ているか
- 粗タンパク質・粗脂肪の比率は適正か
- 保存料・着色料の種類を確認
フード関連の最新情報を追うには:
- FDAのペットフードリコールページを定期的にチェック
- 日本では農林水産省の「ペットフード安全法」関連情報を確認
- CatsMeの記事で最新のリコール情報をお届けしています
CatsMeで食事と体調の変化を記録する
フードの変更後に体調が変化した場合、記録があると獣医師への説明がスムーズになります。
CatsMeでできること:
- 食事記録 — フードの銘柄・ロット番号を記録。リコール時に該当ロットか即座に確認可能
- 体調変化のトラッキング — 食欲・嘔吐・便の状態を日々記録
- 症状チェッカー — 「首が下がる」「ふらつく」「嘔吐」でチアミン不足の可能性を判定
- 獣医師レポート — 「フード変更日 → 症状発現日」の時系列を共有
CatsMeで食事管理を始める →
獣医師に見せられる記録、ありますか?
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