SFTSとは:猫の致死率60〜70%、人も死亡する「人獣共通感染症」
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、SFTSウイルスをもったマダニに咬まれることで感染する病気です。2011年に中国で初めて報告され、日本では2013年に最初の患者が確認されました。
なぜ猫の飼い主が知るべきか:
- 猫の致死率は60〜70%(犬の約29%と比べて圧倒的に高い)
- 2025年に茨城県で関東初の猫感染例が確認された(これまでは西日本中心)
- 猫から人への直接感染が確認されている(2017年、世界初の事例)
- 人の致死率も6〜30%(高齢者ほど高い)
- 2025年は過去最多の183人が感染(11月2日時点)
衝撃的な事例:
2024年、三重県でSFTSに感染した猫を治療した獣医師が、マダニに咬まれた形跡がないにもかかわらず感染し死亡しました。猫の体液(唾液・血液・排泄物)を介した「接触感染」が原因と考えられています。
日本獣医師会はこの事例を受け、全国の動物病院に注意喚起を行いました。
猫のSFTS:見逃してはいけない初期症状
SFTSの潜伏期間は6日〜2週間です。初期症状は他の病気と似ているため、見逃されやすいのが問題です。
初期症状(発症1〜3日):
- 高熱(39.5℃以上)
- 食欲の急激な低下
- 嘔吐・下痢
- 元気消失(ぐったりして動かない)
進行期(発症3〜7日):
- 血小板減少 → 歯茎や皮膚からの出血、鼻血
- 白血球減少 → 免疫力の著しい低下
- 黄疸 → 白目や歯茎が黄色くなる
- リンパ節の腫れ
緊急サイン — 即座に動物病院へ:
- 口や鼻からの出血
- 血便・血尿
- 意識が朦朧としている
- 痙攣
重要: 外に出た猫が帰宅後1〜2週間以内にこれらの症状を示した場合、SFTSを疑い、動物病院に事前連絡してから受診してください。院内感染防止のための準備が必要です。
予防の最優先は「完全室内飼い」
SFTSにはワクチンも特効薬もありません。予防が唯一の対策です。
予防策の優先順位:
1. 完全室内飼い(最重要)
- マダニとの接触を根本的に断つ唯一確実な方法
- 室内飼いのメリットは感染症予防以外にも多数
- 脱走防止の窓・玄関対策を徹底
2. 定期的な駆虫薬の投与
- 室内飼いでも飼い主が外からマダニを持ち込むリスクあり
- スポットオン製剤(フロントライン、ブロードラインなど)を月1回
- 寄生虫予防の記事も参考に
3. 飼い主自身の対策
- 草むら・藪に入る際は長袖・長ズボン
- DEET含有の虫除けスプレーを使用
- 帰宅時に衣服を払い、入浴してマダニチェック
- 庭の草刈りを定期的に行う
4. 万が一マダニを見つけたら
- 自分で引き抜かない(口器が皮膚に残り感染リスク増大)
- 動物病院で専用のピンセットで除去してもらう
- 除去後2週間は発熱・食欲低下がないか観察
茨城県の事例では、室内飼いの猫が一時的に脱走して感染しました。 「うちの子は室内飼いだから大丈夫」ではなく、脱走防止策の徹底が必要です。
人への感染を防ぐために
SFTSは猫から人に感染します。感染経路は猫の体液(唾液、血液、尿、糞便)との接触です。
獣医師死亡事例から学ぶべきこと:
三重県の獣医師はマダニに咬まれた形跡がなく、SFTS感染猫の治療中に体液を介して感染したと推定されています。つまり、猫を触るだけでリスクがあるということです。
家庭でできる感染予防:
1. 外に出た猫を触る前にマダニチェック
- 耳の裏、目の周り、あごの下、指の間を重点確認
- マダニは2〜3mmの黒褐色の粒(吸血後は1cm以上に膨張)
2. 猫の嘔吐物・排泄物の処理は手袋着用
- 特に体調不良の猫の場合は必須
- 処理後は石鹸で手を洗い、消毒液を使用
3. 猫に咬まれた・引っかかれた場合
- 傷口を流水で十分洗浄
- 消毒液で処理
- 2週間以内に発熱・倦怠感があれば医療機関を受診
4. 高齢者・免疫不全者がいる家庭は特に注意
- SFTSの致死率は高齢者ほど高い
- 猫の外出を完全に制限することを強く推奨
万が一、SFTSを疑う症状が出た場合は、感染症科のある病院を受診してください。 一般的な内科では対応が難しい場合があります。
CatsMeで外出・体調変化を記録し、早期発見につなげる
SFTSの潜伏期間は最大2週間。脱走や一時的な外出の記録を残しておくことで、万が一の症状発現時に獣医師へ正確な情報を伝えられます。
CatsMeでできること:
- 行動ログ — 脱走・外出イベントを日時付きで記録
- 体温・食欲・活動量のトラッキング — 微妙な変化を数値で把握
- 症状チェッカー — 「発熱」「食欲低下」「出血」を入力して緊急度を判定
- 獣医師への共有レポート — 「2週間前に脱走歴あり → 現在発熱」という時系列を正確に共有
早期発見が生死を分けます。
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