シニア猫2026-02-17Carelogy編集部
猫の腎臓病(慢性腎臓病):初期症状と早期発見のポイント
猫に多い慢性腎臓病の初期症状、ステージ別の進行、自宅でできる早期発見のポイント、食事療法をわかりやすく解説。
結論:7歳以降は年2回の血液検査でステージ2までに発見することが最重要
猫の慢性腎臓病(CKD)は15歳以上の猫の約30%が罹患する最も多い疾患のひとつです。一度失われた腎機能は回復しないため、ステージ2までに発見して進行を遅らせる治療を始めることが極めて重要です。7歳以降は年2回の血液検査(SDMA含む)で早期発見を目指しましょう。
初期症状は「水を飲む量がやや増えた」「尿の量が増えた」程度で気づきにくいため、定期検査が早期発見の最大の手段です。
初期症状を見逃さない
早期発見のためにできること
1. 定期的な血液検査: 7歳以降は年2回の検査が理想。SDMA検査は従来より早く腎機能低下を検出できます。
2. 飲水量の観察: 急に水を飲む量が増えたら要注意。
3. 体重の記録: 月1回の体重測定で緩やかな減少も把握。
4. 尿の変化: 尿の色が薄くなった、量が増えたなどの変化を記録。
5. CatsMeでの定期チェック: 表情分析で体調変化を早期に検出。
気になる変化はオンライン診療で気軽に獣医師に相談できます。
食事療法と日常ケア
腎臓病と診断された場合の管理について。
食事療法
- リン・ナトリウムを制限した腎臓病用療法食が基本
- タンパク質は質の良いものを適量に
- オメガ3脂肪酸の補給(抗炎症作用)
水分補給
- ウェットフードで水分摂取量を増やす
- ウォーターファウンテンの設置
- 必要に応じて皮下補液(獣医師の指導のもと)
腎臓病の管理は長期にわたるため、定期的なオンライン診療での経過確認がおすすめです。
獣医師が行う検査と治療
腎臓病が疑われた場合、獣医師が行う検査と治療について説明します。
診断検査
- 血液検査: クレアチニン、BUN(血中尿素窒素)、SDMA、リン、カリウム
- 尿検査: 尿比重(薄い尿は腎機能低下のサイン)、タンパク/クレアチニン比
- 血圧測定: CKDの猫の約30%が高血圧を併発
- 画像検査: エコーで腎臓の大きさ・形態を確認
IRISステージ分類
- ステージ1: 正常なクレアチニン、SDMAのみ上昇
- ステージ2: クレアチニン軽度上昇(140-250 umol/L)
- ステージ3: クレアチニン中等度上昇(251-440 umol/L)
- ステージ4: クレアチニン高度上昇(>440 umol/L)
主な治療法
- 療法食への切り替え
- リン吸着剤の投与
- 高血圧治療薬(アムロジピンなど)
- 貧血治療(エリスロポエチン)
- 皮下補液
- 吐き気止め(マロピタントなど)
費用の目安は月5,000〜20,000円程度(ステージや治療内容により異なる)。
CKDの予防と長期管理
慢性腎臓病を完全に予防することは難しいですが、リスクを減らし、進行を遅らせるためにできることは多くあります。
予防的なアプローチ
- 若い頃から十分な水分摂取を促す(ウェットフードの活用)
- 高品質なフードを与え、リンの過剰摂取を避ける
- 歯周病の管理(口腔内の細菌が腎臓に影響する可能性)
- 腎毒性のある物質を避ける(ユリ、不凍液、一部の薬剤)
- 7歳以降の定期的なスクリーニング検査
長期管理のポイント
- 3〜6ヶ月ごとの血液検査と尿検査で進行をモニタリング
- 食欲・体重・飲水量・活動レベルの日常的な観察
- 複数の治療法を組み合わせた包括的な管理
- 生活の質(QOL)を重視した判断
CKDの猫は適切な管理のもとで、診断後も数年にわたり良好な生活を送ることができます。長期管理においてオンライン診療や訪問診療は通院の負担を減らす大きな助けになります。
年齢別の腎臓病リスクと対策
腎臓病は高齢猫の病気と思われがちですが、若い猫にも注意が必要です。
若い成猫(1〜7歳)
- 急性腎障害のリスク:ユリの摂取、不凍液、NSAIDsの誤飲
- 先天性腎疾患:多発性嚢胞腎(PKD)はペルシャ系に多い
- 急性腎障害は早期治療で回復の可能性がある(慢性とは異なる)
中年猫(7〜10歳)
- CKDのスクリーニングを開始すべき年齢
- 年1〜2回の血液検査を習慣化
- この時期の食事・水分管理が将来の腎臓の健康を左右
高齢猫(10歳以上)
- CKDの発症リスクが急激に上昇
- 甲状腺機能亢進症や高血圧との併発が多い
- 年2回以上の検査が推奨
- 「老化」と片づけず、治療可能な状態を見逃さない
どの年齢でも、定期的な健康チェックが腎臓病対策の基本です。
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