症状から知る2026-03-09Carelogy編集部
猫の発熱:体温の測り方と受診タイミング
猫の正常体温・発熱の基準・自宅での体温測定方法から、高熱時の対処法と受診タイミングまでわかりやすく詳しく解説します。
結論:猫の体温39.5℃以上は発熱、40℃以上は早急に受診
猫の正常体温は38.0〜39.5℃です。39.5℃を超えると発熱、40.0℃以上は高熱として緊急度が高まります。発熱は感染症・炎症・腫瘍など様々な疾患のサインであり、40.5℃以上の高熱が続くと臓器障害のリスクがあるため、速やかに獣医師に相談してください。
猫の体温を自宅で測る方法
最も正確な方法は直腸体温測定です。ペット用もしくは人間用の電子体温計(先端が柔らかいもの推奨)を少量のワセリンで潤滑し、肛門から1〜1.5cm挿入して測定します。猫を横に寝かせ、おやつで気を引きながら行うとスムーズです。
耳式体温計(ペット用): 正確性はやや劣りますが、ストレスが少なく手軽です。外耳道に正しく挿入することがポイントです。
皮膚温の参考確認: 耳の内側・肉球・腹部を触って「いつもより熱い」と感じる場合は発熱の可能性があります。ただし確定診断にはなりません。
より詳しい手順は「自宅で猫の体温を測る方法」で解説しています。
猫の発熱の主な原因
感染症: 細菌・ウイルス・真菌感染が最も一般的な原因です。猫風邪(上部気道感染)、猫汎白血球減少症(猫パルボ)、FIP(猫伝染性腹膜炎)なども発熱を引き起こします。
炎症性疾患: 膵炎・腸炎・関節炎など体内の炎症でも発熱します。
腫瘍(がん): リンパ腫など一部の腫瘍は持続的な発熱を伴うことがあります。
熱中症: 夏場の高温環境・換気不十分な場所では体温が急激に上昇します。熱中症は緊急事態です。
[ワクチン接種](/ja/columns/cat-vaccination-guide)後: 接種後24〜48時間の軽度発熱は正常反応です。
発熱時の自宅での対処と注意点
してはいけないこと
- 人間用の解熱剤(アセトアミノフェン・イブプロフェン・アスピリン)は猫に絶対投与禁止です。猫はこれらを代謝できず、少量でも致死的中毒を引き起こします。
できること
- 涼しく静かな場所で安静にさせる
- 水分補給を促す(シリンジで少量ずつ与えるのも有効)
- 濡れたタオルで体を軽く冷やす(ただし冷やしすぎに注意)
- 体温・様子・食欲を記録しておく(受診時の情報として役立つ)
体温が40℃以上の場合は自宅対処に頼らず、速やかに獣医師の診察を受けてください。
自宅ケアと緊急受診の境界線
自宅で経過観察してよい場合と、すぐに病院に行くべき場合の明確な判断基準を知っておくことは、猫の飼い主として非常に重要です。
自宅での経過観察が可能な場合:
- 体温が39.5〜40.0℃の範囲
- 少量でも食事・飲水ができている
- 元気はないが呼びかけに反応する
- ワクチン接種後48時間以内という原因が明確
- 嘔吐・呼吸困難・ぐったりなどの重篤な症状がない
経過観察中は4〜6時間ごとに体温・食欲・飲水量・排泄・元気レベルを記録してください。
即受診が必要な場合:
- 体温40.0℃以上
- 24時間以上食事・飲水していない
- 呼吸が荒い・口を開けて呼吸している
- 歯茎が白い・黄色い(黄疸)
- 嘔吐や下痢を伴う(特に血混じり)
- 生後6ヶ月未満の子猫(脱水が急速に進行する)
- FIPが疑われる場合
迷ったら受診。「行かなくてよかった」という後悔より、「行っておいてよかった」という安心感の方が大切です。
動物病院での検査プロセスと費用の目安
発熱で動物病院を受診した際の検査の流れと費用の目安を知っておくと、心の準備ができます。
ステップ1: 身体検査(初診料に含まれる)
体温の正確な測定、心拍数・呼吸数の確認、腹部の触診、口腔内の確認、リンパ節の腫れチェックが行われます。
ステップ2: 血液検査
血球計算(CBC)で感染・貧血・炎症の有無を確認。血液生化学検査で肝臓・腎臓の機能をチェック。費用は5,000〜15,000円程度。FIPが疑われる場合はリバルタ試験やPCR検査が追加されることも。
ステップ3: 尿検査
尿路感染・腎臓病・糖尿病の検出に有効。費用は2,000〜5,000円程度。
ステップ4: 画像診断(必要に応じて)
レントゲン(4,000〜8,000円)で肺炎・胸水・腹腔内腫瘤を確認。エコー検査(5,000〜10,000円)はより詳細な内臓の評価が可能。
ステップ5: 治療
診断に応じて抗生物質・抗ウイルス支持療法・消炎剤・点滴が選択されます。入院が必要な重症例は1日10,000〜30,000円。
発熱の精密検査の総費用目安:
軽症(診察・血液検査・抗生物質): 10,000〜25,000円。重症(画像診断・入院・特殊検査): 50,000〜100,000円以上。ペット保険加入済みの場合は大幅な負担軽減が可能です。
年齢別の発熱リスクと注意点
発熱のリスクは猫の年齢によって大きく異なります。ライフステージ別の注意点を把握しておきましょう。
子猫(1歳未満)
免疫システムが未発達なため、感染症による発熱のリスクが最も高い年齢層です。猫ヘルペスウイルス・カリシウイルスによる上部気道感染や猫汎白血球減少症が主な原因。体が小さいため脱水の進行が非常に早く、40℃の発熱があれば12〜18時間で重度の脱水に至る可能性があります。6ヶ月未満の子猫の発熱は「様子見」ではなく当日受診が鉄則です。
成猫(1〜7歳)
免疫力が最も強い年代で、軽い感染症なら自力で回復できることが多いです。この年齢層でよくある発熱原因は、屋外での咬傷による膿瘍・尿路感染症・歯科疾患です。原因不明の持続的な発熱がある場合はFIPのスクリーニングも検討してください。
[シニア猫](/ja/columns/senior-cat-health-check)(7歳以上)
高齢猫は普段から活動量が少ないため、発熱のサインが見えにくくなります。慢性腎臓病・甲状腺機能亢進症・腫瘍(特にリンパ腫)・慢性感染症が主な原因です。高齢猫は薬物代謝も変化するため、鎮痛剤や抗生物質の用量調整が必要な場合があります。飲水量の増加や体重減少、隠れる行動と発熱が併発する場合は包括的な老齢検査を受けましょう。
Carelogyのオンライン診療で発熱を相談する
「熱があるようだが病院に連れて行くべきか判断できない」という時に、Carelogyのオンライン診療をご活用ください。体温の数値・食欲・元気・排泄の状態を伝えていただければ、獣医師が緊急度を判断し、自宅経過観察か来院かを即座にアドバイスします。
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