猫の「生活の質(QoL)」を科学的に測る新ツール『FelQoL』が検証・発表
2026年7月1日、猫の身体的・精神的な健康度、いわゆる生活の質(QoL)を評価する新しい質問票『FelQoL(Feline Quality of Life)』が科学的に検証され、獣医学の専門誌 Journal of Feline Medicine and Surgery に2部構成で発表されました。
開発したのは、英国の Waltham Petcare Science Institute、Mars Veterinary Health、Royal Canin、そしてブリストル大学の共同チームです。米国と英国の飼い主1,324名のデータをもとに、猫の年齢・健康状態・生活環境がQoLにどう影響するかを、身体面と精神面の両方から評価できるよう設計されています。
開発チームの Janet Patterson-Kane 氏(Mars Science & Diagnostics)は、猫は読み取りにくいとよく言われるが、だからこそFelQoLは獣医療従事者にも飼い主にも重要な進歩だ、と述べています。ツールは飼い主が使いやすい形で設計され、すでにMars Petcare Biobankの研究でも活用が始まっています。
出典: PR Newswire(2026年7月1日) / Journal of Feline Medicine and Surgery。

なぜ「QoLの可視化」が飼い主にとって大きいのか
猫は本能的に不調を隠す動物で、痛みや体調の変化が行動に表れにくいことが知られています。そのため飼い主の主観だけでは「なんとなく元気がない気がする」で止まってしまい、気づいた時には進行していた、ということが起こりがちです。
FelQoLのような検証済みの評価軸が価値を持つのは、QoLを身体面(食欲・飲水・活動量・毛づくろい・動きやすさなど)と精神面(安心感・人や同居猫との交流・落ち着き・環境変化への反応)に分けて、変化を継続的に追えるからです。「元気/元気じゃない」の二択でなく、観点ごとに小さな下降を捉えられます。
特に高齢猫や慢性疾患を抱える猫では、QoLのわずかな低下を早めに捉えることが、年1〜2回の健康診断を前倒しする判断や、終末期のケアをどう考えるかという難しい選択にも直結します。
家庭で今日からできる「QoLの見方」
FelQoLそのものは研究・臨床向けのツールですが、その考え方は家庭の見守りにそのまま応用できます。ポイントは「観点を分けて、継続的に、記録で追う」ことです。
| 観点 | 家庭で見るサイン |
|---|---|
| 身体(食事) | 食欲・飲水量・食べ方の変化 |
| 身体(活動) | 運動量・ジャンプや段差の可動性・毛づくろい |
| 身体(外見) | 体重・被毛のツヤ・目や口の様子 |
| 精神(安心) | 隠れる頻度・落ち着き・睡眠 |
| 精神(交流) | 人や同居猫との関わり方の変化 |
目安として、2つ以上の観点で下降が1〜2週間続くなら受診を検討します。大切なのは「先週と比べてどうか」を主観でなく記録で見ること。写真・体重・行動のログがあると、獣医師にも変化を正確に伝えられます。
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